Letter 地球:黒海におけるアナモックス細菌によるアンモニアの嫌気的酸化 2003年4月10日 Nature 422, 6932 doi: 10.1038/nature01472 固定化無機窒素(硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニア)の量は、多くの海域で一次生産を制限している。従属栄養細菌による硝酸塩のN2への変換(脱窒素反応)は、海洋における固定化無機窒素の唯一の重要な除去過程であると考えられている。今回、世界最大の無酸素性の内湾である黒海で、細菌がアンモニアを亜硝酸塩により嫌気的にN2に酸化している証拠を得た。16SリボソームRNA遺伝子配列を対象とした系統発生解析により、このような細菌が、アンモニアを除去するバイオリアクターでアナモックス(アンモニアの嫌気的酸化)反応を行うことが知られているプランクトミセス目の細菌に近縁であることがわかった。栄養プロフィール、蛍光標識RNAプローブ、15Nトレーサー実験、および特異的な「ラダラン」膜脂質の分布は、無酸素性深層水から上方に向かって拡散するアンモニアが、酸素含有領域より下部でアナモックス細菌によって消費されることを示している。アナモックス細菌が同定され、環境中の固定化無機窒素の除去に直接結びつけられたのは今回が初めてである。アンモニアの消費は、低酸素海域で広く認められることから、アナモックス反応が、海洋の窒素循環に重要な役割を果たしていることが示唆されている。 Full Text PDF 目次へ戻る