Letter 生理:NADPH酸化酵素の電位依存性は食細胞がプロトンチャネルを必要とする理由を説明する 2003年4月3日 Nature 422, 6931 doi: 10.1038/nature01523 食細胞に含まれるNADPH酸化酵素は、身体を微生物から守る際に重要な役割を果たす。この酵素は、スーパーオキシドアニオン(O2-、殺菌作用をもつ活性酸素種の前駆体)を産生する。細胞内のNADPHから、FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)および2種のヘムを含む電子伝達鎖を経由した電子が、細胞外のO2をO2-に還元する。NADPH酸化酵素は起電性タンパク質であり、膜電位固定法で測定可能な電子流(Ie)を生じさせる。本論文では、NADPH酸化酵素に完全な電流―電位関係があることを報告する。これは、細胞膜の電子運搬体としては最初の測定例である。Ieは-100 mVから0 mVを越える程度までは電位の影響を受けないが、脱分極が進むと急激に抑制され、約+190 mVで消失することがわかった。これまで、Zn2+およびCd2+が、H+電流とO2-産生の両方を抑制するために、電位依存性プロトンチャネルを介したH+の流出がIeを代償すると示唆されていた。本論文では、NADPH酸化酵素の4成分を導入したH+チャネルを含まないCOS-7細胞が、好中球および好酸球においてO2-産生を抑制する濃度のZn2+の存在下で、O2-を産生することを報告する。Zn2+は、NADPH酸化酵素を直接阻害するのではなく、H+チャネルに対する作用を介して阻害する。H+チャネルは、阻害性電位にまで膜が脱分極しないようにすることによって、NADPH酸化酵素の機能を最適化している。 Full Text PDF 目次へ戻る