Letter

海洋:内部波が砕けることに起因する赤道水域における混合の低下

Nature 422, 6931 doi: 10.1038/nature01507

海洋においては、熱、塩分、栄養分の再配分は、密度が均一な水塊の内部の方がずっと起こりやすく、密度が異なる水塊の境界面を越える再配分はずっと起こりにくい。しかし、密度の異なる水塊の境界面を越えて起こる混合の大きさと分布もまた、生物の存在密度と同じく地球の気候にとって重要である。このような混合のほとんどは、内部波が砕ける場所で生じ、海の密度成層を崩壊させ、部分的な乱流を作り出す。内部波が消える速度の予測は、中緯度水域では以前に確認されている。本論文では、北緯42度と南緯2度の間の太平洋と大西洋における水温と流速の揺らぎを観測し、測定範囲を中緯度水域から赤道水域にまで拡大した。内部波の消滅は緯度に強く依存することがわかり、またこれは上記の予測と一致した。今回の観測では、赤道近辺の消滅速度とそれに伴う密度境界面を越える混合は、内部波の状況が同じような場合に中緯度水域で起こる混合の10%未満となった。赤道近辺における混合の低下は、例えば気候変動の実験など、海洋力学での数値シミュレーションを行う場合に考慮に入れる必要があろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度