Letter 生化学:γ‐セクレターゼ複合体中のプレセニリン補因子が果たす役割 2003年3月27日 Nature 422, 6930 doi: 10.1038/nature01506 家族性アルツハイマー病(FAD)の大多数は、プレセニリン遺伝子の変異が原因である。プレセニリンは、Notchやβ‐アミロイド前駆体タンパク質(βAPP)の膜内切断にかかわるタンパク質分解酵素γ‐セクレターゼの活性に不可欠である。FAD変異型プレセニリンによってβAPPが切断されると、アミロイド形成性の強いアミロイドβ42ペプチドの過剰生産が起こる。γ‐セクレターゼの活性には、安定な高分子量タンパク質複合体の形成が必要で、この複合体には、内部配列の切断によって断片化したプレセニリンのほかにニカストリン、APH-1、PEN-2などの必須補因子が含まれている。しかし、複合体に含まれるタンパク質がそれぞれ、複合体の形成や酵素活性にどのような役割を果たしているのかは明らかになっていない。ここではショウジョウバエのAPH-1(Aph-1)が、複合体中のショウジョウバエプレセニリン(Psn)ホロタンパク質の安定性を高めていることを明らかにする。ショウジョウバエあるいは哺乳類の、初代培養ニューロンを始めとする細胞で、RNA干渉によってPEN-2を消失させると、プレセニリンの内部切断が阻害され、ホロタンパク質の安定性が高まる。ショウジョウバエのPen-2を、Aph-1およびニカストリンと同時発現させると、γ‐セクレターゼ活性が上昇するとともにPsn断片の形成が増加する。したがって、APH-1は複合体中のプレセニリンホロタンパク質を安定化し、一方、PEN-2はプレセニリンの内部配列切断タンパク質分解に必要で、複合体にγ‐セクレターゼ活性をもたせる働きをする。 Full Text PDF 目次へ戻る