Letter 物理:緩和に強く信頼性の高い2イオンキュービット幾何学位相ゲートの実証実験 2003年3月27日 Nature 422, 6930 doi: 10.1038/nature01492 2個の量子ビット(キュービット)に対するユニバーサル論理ゲートは量子計算にとって必要不可欠な要素となる。捕獲されたイオンを使ったエネルギー変化を伴う動的ゲートは既に提案されているが、幾何学位相ゲート(物理的なキュービットの位相のみを変化させる)の方が、特定の小さいエラーに対して高い耐性を示し、高速にゲートを実行できるため、実用化の点で有利となる。ここで我々は、光の双極子力に誘起されるコヒーレント変位を利用して、2個のベリリウムイオンキュービット間のユニバーサルな幾何学π位相ゲートを実証した。この変位は原子の内部状態に依存し、イオンの運動状態は、イオン波束に渡って一定の双極子力がかかる状況下では重要ではなくなる。このゲートと単一キュービットの回転を組合せて、もつれ合ったイオンのBell状態を97%の忠実度で実現した。この忠実度は、2個のイオンキュービット間のユニバーサルゲートを実証した既存の実験で得られている値の約6倍である。このゲート特性は、多数のイオンキュービットにスケールアップすることが可能な多重化トラップアーキテクチャーに有望である。 Full Text PDF 目次へ戻る