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生理:グリシンの結合がNMDA受容体インターナリゼーションを準備する

Nature 422, 6929 doi: 10.1038/nature01497

NMDA(N‐メチル‐D‐アスパラギン酸)受容体(NMDAR)は、主要な興奮性のリガンド依存性イオンチャネルであり、中枢神経系における生理過程および疾病過程において重要な役割を果たしている。グリシンがNMDARを通る電流を増大させること、またグリシンがNMDARサブタイプの「グルタミン酸」受容体の必須の共作動物質であるという認識は、中枢神経系における化学的シナプスの情報伝達に対する考え方を大きく変えた。NMDARのイオン通過孔の開口には、グリシンとグルタミン酸の両方の結合が必要である。いずれか一方の作動物質が結合するだけでは、チャネルを通る電流の発生には十分ではない。しかし、本論文では、グリシン部位を刺激することで、NMDAR複合体を介したシグナル伝達が始まり、受容体がクラスリン依存性にエンドサイトーシスされる準備が完了することを報告する。グリシンの結合だけでは受容体のエンドサイトーシスは誘導されない。これには、NMDARのグリシン部位とグルタミン酸部位の両方が活性化する必要がある。グリシンによるプライミング作用は、NMDARのグリシン部位に対する作動物質D‐セリンによって模擬され、グリシン部位の競合的拮抗物質により阻害される。シナプスおよびシナプス外のNMDARは、グリシン部位の刺激によってプライミング状態となりインターナリゼーションが開始する。今回の結果は、NMDARのグリシン部位の活性化による、膜をはさんだシグナル伝達の存在を示しており、中枢神経系における細胞間情報伝達を調節するモデルの解明につながる。

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