Letter

細胞:気道上皮前駆細胞と小細胞肺癌におけるヘッジホッグシグナル伝達

Nature 422, 6929 doi: 10.1038/nature01493

哺乳類の上皮の発生や癌では、胚のシグナル伝達系が前駆細胞の運命を調節している。肺の発生にはソニックヘッジホッグ(Shh)シグナル伝達が必要なことから、この伝達系が気道上皮の再生と癌化に果たす役割を調べた。本論文では気道の急性損傷の修復中に、気道上皮内のヘッジホッグ(Hh)経路が高度に活性化されることを明らかにする。このHhシグナル伝達様式の特徴は、Shhシグナルが上皮区画内で合成、受容され、その後すぐに、神経内分泌の分化が起こることである。また、気道の発生における肺の神経内分泌前駆細胞の正常な分化の際、あるいはある種の小細胞肺癌(SCLC)において、これと同じようなパターンのHhシグナル伝達が見られることも明らかにする。SCLCは、原始的な神経内分泌系の特性をもつヒトの肺癌で、悪性度が高く命にかかわることが多い。このような癌は、in vitroin vivoのどちらにおいても、リガンド依存性Hh経路の活性化によって悪性の表現型を維持する。ある種のSCLCは、気道上皮の分化に見られるきわめて重要なHh調節イベントを再現している可能性がある。Hh経路活性化の必要性は、Hhシグナル伝達経路の薬物による阻害に反応する、あらゆる癌に共通の致死的な悪性腫瘍化機構があることを示しているのかもしれない。

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