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物性:リンデマン安定限界付近のコヒーレント格子振動のフェムト秒X線測定

Nature 422, 6929 doi: 10.1038/nature01490

時間平均した運動学的描像を超えた固体の相転移過程の研究には、新しい相へ転移してゆく際の物理的な経路に沿った原子配置の変化を直接測定することが必要である。対象となる時間スケールは10-14秒から10-12秒である。最近まで、十分な時間分解能を提供できるのは光学的手法に限られていたが、構造配置の直接測定までは不可能であった。最近、超高速レーザー誘起による長距離秩序の変化が、いくつかの物質に対して時間分解型X線回折を用いて直接確認されている。しかしながら、単位格子内の原子変位の測定はもちろん、構造的な相の安定限界との関係も今までのところ明確になっていない。今回我々は、相転位近傍まで光学的に励起されたビスマス格子のコヒーレントな原子変位を、時間分解型X線回折により測定した結果を報告する。振幅の大きなコヒーレント光学フォノンの励起がX線回折効率の周期的な変化を引き起こしている。励起が強くなって、最近接距離の10%を超える原子変位(リンデマン限界付近)に達するようになると、長距離秩序が喪失してゆく。これは物質の融解による可能性が最も大きい。

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