Letter

物理:過冷却液体における「ボソンピーク」のフォノンによる解釈

Nature 422, 6929 doi: 10.1038/nature01475

ガラスは弾性的な挙動を見せるという意味で非晶質固体である。結晶性固体では弾性にフォノンが伴う。フォノンは振動励起が量子化されたものである。フォノン型の励起は、非常に高い(テラヘルツ;1012Hz)周波数ではガラスにも存在する。意外にも、このような励起は過冷却液体にも存在するのである。このような非晶質系の普遍的な特徴がボソンピークである。すなわち、振動状態密度がデバイの周波数2乗法則に比べて過剰になる。ここでは、この特徴が生じる起源を探るために、現実的なガラス模型における固有構造(ポテンシャルエネルギーの局所的極小点)のスペクトルを調べた。ボソンピークは、ポテンシャルエネルギーの停留点間の相転移の特徴である。すなわち、低エネルギー側にある極小点が支配する相(フォノンが存在する)から鞍点が支配する相(フォノンが存在しない)への相転移に伴うものである。このフォノン‐鞍点転移点に近づくと、ボソンピークは低周波数側に移動し、ピークの高さは臨界点で発散する。本研究の数値結果は、非晶質弾性相とフォノンがない相との間に鋭い相転移が存在することを示したユークリッドランダム行列理論の予言と一致する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度