Letter 生態:河川水に含まれる溶存有機物のミセル様微小粒子 2003年3月13日 Nature 422, 6928 doi: 10.1038/nature01469 水系における細菌のはたらきによる溶存有機物から粒状有機物への変換を説明する際には、「微生物ループ」の概念が用いられている。この変換過程は、溶存有機物から高次栄養段階へエネルギーおよび物質の移動を伴うので、水系の生産性を一次生産とともに制御している。今回、濾過滅菌した河川水を対象に実験室における定温維持実験を行ったところ、溶存有機炭素(DOC)の最大25%が細菌増殖と同等の速度で直径0.4〜0.8μmの粒子に非生物的に凝集することがわかったので報告する。拡散は、低分子量のDOCから高分子量のDOCへ、またさらに大きなミセル様微小粒子への凝集を促す。微小粒子は、その化学組成から、細菌捕食性プランクトンの食物として利用される可能性がある。この経路の存在は、ピコプランクトンと微小粒子の安定炭素同位体組成の差から明らかである。したがって溶存有機物の大部分は微小粒子を介して、すなわち微生物ループを介さずに高次栄養段階に直接至る可能性がある。これは、水系における炭素変換に関するこれまでの概念の再考をせまるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る