Letter 進化:托卵で生れた雛鳥を仮親が拒絶することで共進化の軍拡競争が進展 2003年3月13日 Nature 422, 6928 doi: 10.1038/nature01460 カッコウの雛鳥は孵化後すぐに巣内から他のすべての雛鳥を追い出し、托卵先の仮親に多大な繁殖上のコストを負わせる。仮親は防衛のために、托卵を防ぐ戦略を共進化させてきた。不思議なことに、仮親の防衛戦略は卵の段階より先には進まない。したがって、余所者の卵を認識することには熟達した仮親も、カッコウの雛鳥による搾取作用に対しては無防備なままである。本論文では、卵の段階における仮親の防衛策をカッコウが突破することで、共進化のサイクルが新たな段階に入ることを示す。我々は、仮親であるルリゴウシュウムシクイ(Malurus cyaneus)が産卵期中に用いる防衛策が、ゴウシュウムシクイ類を専門に托卵するホースフィールドブロンズカッコウ(Chrysococcyx basalis)によって容易に回避されることを見いだした。しかし、仮親が自身の産んだ雛鳥が複数いる巣を放棄することは決してないが、ホースフィールドブロンズカッコウの雛鳥が1羽のみいる巣は時間が経つと40%が放棄され、ゴウシュウムシクイ類にたまに托卵するカッコウの仲間Chrysococcyx lucidusの雛鳥が1羽のみいる巣は100%が放棄された。我々の実験は、他の雛鳥を追い出す型のカッコウの雛鳥を仮親が識別できることを実証したものであり、こうした識別によってブロンズカッコウ類では雛鳥の擬態の進化が選択されてきたことが示唆されている。 Full Text PDF 目次へ戻る