Letter 地球:浸透流により引き起こされた微惑星中の核形成 2003年3月13日 Nature 422, 6928 doi: 10.1038/nature01459 隕石のタングステン同位体組成は、微惑星中の核形成が太陽系の形成後200〜300万年以内に起きたことを示している。しかし、核形成は金属が分離する機構を必要とし、カンラン石に富んだ基質中での溶けた鉄合金の「濡れ」の性質は、ケイ酸塩自体が部分溶融しているのでなければ浸透流による分離の可能性を除外すると考えられている。しかしながら、浸透の閾値を越えて流体の金属が存在すると、固体の基質でも透水性を生み出す可能性があり、それによって分離が起きる可能性がある。本論文では、固体のカンラン石中に約5 vol%含まれた溶けた鉄―硫黄化合物の浸透閾値を、高温高圧下のin situ測定により得られた電気伝導度に基づいて報告する。微惑星内で短寿命の放射性核種の崩壊による加熱は、鉄―硫化鉄系の融点(約1,000℃)を十分超えて温度が上昇し、タングステン同位体によって示唆されているような短い時間スケールでも浸透流によって鉄合金の分離が起きる引き金となりうると結論できる。半径が30 kmより大きい微惑星や、より大きい惑星の卵は非常に早い時期に核を形成していたと考えられ、また、このような物体は原始惑星星雲の地球の領域にその質量の大部分が存在したと推測される。したがって、地球および他の地球型惑星はすでに分化していた微惑星の集積により形成された可能性があり、地球の核は集積以前に形成された核が混ぜ合わされた混合物であると考えることができる。 Full Text PDF 目次へ戻る