Letter 生化学:マクロフォミン酸合成酵素の構造に基づく天然のディールス・アルダー反応についての洞察 2003年3月13日 Nature 422, 6928 doi: 10.1038/nature01454 ディールス・アルダー反応はアルケン(ジエノフィル)と1,3‐ジエンから6員環を形成する反応で、穏やかな条件において高い位置選択性および立体選択性で環状生成物の構築ができることから、合成上非常に有用である。この反応は複雑な薬剤や生理活性物質の合成に応用されてきた。天然のディールス・アルダー反応についての証拠は二次代謝産物の生合成において蓄積されてきているが、天然のディールス・アルダラーゼの構造的な詳細は今まで報告されていなかった。天然のディールス・アルダラーゼの機能と触媒機構は、天然のディールス・アルダー付加物に見られる分子骨格の多様性から非常に興味深い。本研究で我々は、天然のディールス・アルダーゼである真菌類のマクロフォミン合成酵素(MPS)のピルビン酸との複合体の結晶構造を分解能1.7Åで示した。この酵素の活性部位は大きくかつ疎水性で、基質である2‐ピロンと水素結合しうるアミノ酸残基を有している。これらのデータからMPSの触媒機構についての情報が得られ、反応は大きなスケールでの生成物の構造再編を通して進行することが示唆された。 Full Text PDF 目次へ戻る