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遺伝:アメリカトリパノソーマの遺伝子交換機構

Nature 421, 6926 doi: 10.1038/nature01438

原生生物マクムシ類は深刻な諸疾患を引き起こす原虫である。南北アメリカ大陸にいるTrypanosoma cruziはシャーガス病(動物からヒトに感染する人畜共通感染症で各地に見られる)の原因となる原虫であり、シャーガス病を媒介する吸血性サシガメ類の汚染した糞に曝露することで感染する。T. cruziやLeishmaniaに遺伝子交換が存在するかどうかについては異論が多い。今回我々は、雑種クローンを作成することで、T.cruziに遺伝子交換の能力が今なお残っていることを示す。この遺伝子交換機構は珍しいもので、アフリカトリパノソーマTrypanosoma bruceiで示唆されている機構とは明確に異なる。T. cruziの2つの生物学的クローンに、遺伝子導入により異なる薬剤耐性マーカーをもたせ、生活環全体を通じて一緒に継代培養した。生活環の哺乳類ステージから採取した二重薬剤耐性をもつ6つの子孫クローンでは、両親の遺伝子型の融合、対立遺伝子の消失、相同組換え、キネトプラスト内のマキシサークルDNAの単親性遺伝が見られる。これらの実験的雑種と、自然界のT. cruzi分離株に見られる遺伝子型との間には、強い遺伝学的類似性がある。この例では、核の雑種形成により異数性が生じた結果、メンデル式遺伝子交換に比較して遺伝距離がはるかに大きいものどうしでの組換えが起こっている。この機構はゲノム重複にも類似している。

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