Letter 生理:アカパンカビでアンチセンスRNAが概日時計機能の制御に果たす役割 2003年2月27日 Nature 421, 6926 doi: 10.1038/nature01427 真核生物で、アンチセンスRNAがどの程度広く存在するのかは不明であり、天然のアンチセンス転写産物で機能の特定されたものはごく少数である。しかしながら最近、アンチセンス転写産物と推定されるものが多数同定されたことで、アンチセンスRNAは従来考えられていたよりも幅広く多様な生理過程に関与しているのではないかという見方が強まっている。本論文では、モデル生物アカパンカビ(Neurospora crassa)において、遺伝子とその産物が時間的に正しく発現するのに必須な概日時計の環境同調が、時計成分座位から生じるアンチセンスRNAによって一部制御されていることを示す。野生型株では、アンチセンスfrequency(frq)転写産物のレベルは、暗中においてセンスfrq転写産物レベルと位相が逆の周期で推移し、光によって誘導可能である。光によるアンチセンスfrqRNA誘導が破壊された変異株では、体内時計の時間が野生型株に比べて遅れ、光による体内時計のリセット状況が変化する。これらのデータから、アンチセンスRNAと概日時計の時間合わせとの間には予想外の結びつきがあることがわかり、真核生物の細胞レベルの生理過程が天然のアンチセンスRNAによって制御されていることを示す新たな一例が得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る