Letter

気候:石筍データによる西ヨーロッパのダンスガールト―エシガー気候振動の正確な年代決定

Nature 421, 6925 doi: 10.1038/nature01391

ダンスガールト―エシガー事件(1番最近の氷河期の間に起きた千年スケールの急激な気候振動)の特徴は氷のコアや海洋の記録により明らかになっている。しかし、そのような気候事件が大陸の環境に及ぼす影響についてはそれほど明らかではなく、その絶対的な年代も海洋記録の14C年代決定の限界と氷のコアの年周層の算定の限界以上の精度はない。本論文では、フランス南西部で収集され234U/230Th比を用いて年代が正確に決定されている石筍で得られた炭素及び酸素同位体記録を提示する。両方の同位体記録には、83,000年から32,000年前に起きたことが確立しているダンスガールト―エシガー事件と一致する急激な気候振動が見られた。酸素同位体に見られる特徴は、イスラエルのソレク洞窟で見つかった記録および深海の記録と似ており、気候振動の空間的規模が大きいことを示している。炭素同位体に見られる徴候は、人類の文化的発展に重要な場所であるヨーロッパ西部の植生が急激で劇的な変化を示したことの証拠となる。また、61.2±0.6および67.4±0.9kyr前の間にフランス南西部では極端に寒冷な気候が長期間継続したことを示す証拠も見つかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度