Letter 化学:溶液プロセスによるマルチカラー有機ELディスプレイ 2003年2月20日 Nature 421, 6925 doi: 10.1038/nature01390 有機発光ダイオード(OLED)は、携帯電話や電子手帳などの携帯機器の高品質自己発光ディスプレイ用として有望である。白黒表示で十分な用途もあるが、RGB (赤、緑、青)マトリックス・ディスプレイなどのマルチカラー素子へと発展させることによって、技術的影響力を著しく高めることができるであろう。電界発光性小分子の真空蒸着によるマルチカラーOLEDの作製は既に成功しているが、大分子(電界発光性高分子)の溶液プロセスが実現すれば、製造工程は低コスト化及び単純化されるであろう。しかし、溶液プロセス法とピクセル型ディスプレイの生産に必要な高分解能パターニング技術とを組み合わせることは困難であった。最近の試みでは、スクリーン印刷法やインクジェット法などの標準的な印刷技術の改良に重点が置かれているが、それらの技術は依然として技術的難点を抱えている。今回我々は、標準的なフォトレジスト材料と同様の方法でパターニング可能なタイプの電界発光性高分子、すなわちオキセタン側鎖を持つ可溶性高分子について報告する。この高分子は光化学的に架橋して、所望の場所に不溶性高分子網目構造を形成できる。このプロセスは、ピクセル型マトリックス・ディスプレイの作製に十分な分解能を持っている。RGB三原色の各色を発光する高分子をそれぞれ連続的に析出させることにより、最新式OLEDに匹敵する効率を持つうえに開始電圧がやや低い素子を得た。 Full Text PDF 目次へ戻る