Letter

生化学:ヒトと細菌の酸化的脱メチル化酵素は、RNAと DNAの両方でアルキル化による損傷を修復する

Nature 421, 6925 doi: 10.1038/nature01363

DNA損傷の修復はゲノムの完全性を維持するために不可欠で、哺乳類の場合、修復系の欠陥は癌や神経疾患、発達障害に結びつく。アルキル化によるDNA損傷は、少なくとも3種類の機構によって修復される。そのうちの機構の1つに、大腸菌のAlkBが行う1‐メチルアデニン、3‐メチルシトシンの酸化的脱メチル化による損傷回復がある。これに対し、RNAのアルキル化による損傷がどのような結果をもたらすか、またその場合の細胞の対処については、ほとんど知られていない。本論文では、AlkBの2種類のヒト相同体hABH2、hABH3がやはり酸化的DNA脱メチル化酵素であること、AlkBとhABH3はRNAも修復するがhABH2は修復しないことを明らかにする。AlkBとhABH3は一本鎖の核酸を選んで修復するが、hABH2は二本鎖DNAの方に効率よく作用する。またAlkBと大腸菌で発現させたhABH3とが、メチル化されたRNAバクテリオファージMS2をin vivoで再活性化することは、この修復活性の生物学的重要性をはっきり示しており、RNA修復は生細胞での重要な防御機構であるらしいことが確かめられる。ヒト相同体hABH2とhABH3で、触媒作用と核内分布パターンにちがいがあることは、この2つが、アルキル化損傷に対する細胞応答において異なった役割をもつことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度