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生化学:単独およびハーセプチンFabと結合したHER2の細胞外領域構造

Nature 421, 6924 doi: 10.1038/nature01392

HER2(Neu、ErbB2ともよばれる)は上皮細胞増殖因子受容体(EGFRあるいはErbB)ファミリーに属する受容体チロシンキナーゼである。ヒトの場合このファミリーには、HER1(EGFR、ERBB1)、HER2、HER3(ERBB3)、HER4(ERBB4)が含まれる。ErbB受容体は、発生中の胚と成体組織の両方において細胞の増殖と分化に不可欠なメディエーターとして働き、その不適切な活性化は多くの癌の発生やその重症度にも関係する。HER2の過剰な発現は、ヒトの乳癌の20〜30%で見られ、癌の悪性度、あるいは予後の悪さに関連している。ErbB受容体を標的とする抗がん治療に期待がもてることが明らかになっており、HER2に対するモノクローナル抗体ハーセプチン(トラスツズマブともよばれる)が現在は乳癌の治療に利用されている。ここでは、分解能2.4Åで決定したラットHER2の細胞外領域全体の結晶構造と、ハーセプチンの抗原結合フラグメント(Fab)と複合体を形成したヒトHER2の細胞外領域全体の結晶構造(分解能2.5Åを報告する。これらの構造から、リガンドによって活性化された状態に近いHER2の固定構造が明らかになり、直接リガンドが結合しなくてもHER2は他のErbB受容体と相互作用する態勢をとっていることがわかった。ハーセプチンはHERの膜近傍領域に結合するので、この部位が抗がん治療の標的になることがわかった。

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