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化学:形式的なsp混成ケイ素原子を持つ安定なケイ素系アレン類縁体

Nature 421, 6924 doi: 10.1038/nature01380

炭素化学の世界では多様な結合様式があり、アセチレン、ニトリル、アレン、二酸化炭素などの分子に見られるように、sp混成炭素原子を含む等核または異核多重結合も存在している。炭素より重いケイ素、ゲルマニウム、スズなどの周期表上の14族同族体は、長い間、多重結合を形成できないと考えられてきた。これは、多重結合中のπ重なりが効果的でなく、不飽和化合物が不安定化するためである。しかし、かさ高い置換基は不飽和結合を保護するため、形式上sp混成した重い14族原子を持つ化合物を安定化できる。すなわち、アセチレン誘導体の安定なゲルマニウム、スズおよび鉛類縁体、ならびに辛うじて安定なトリスタンナアレンが報告されている。しかし、形式的なsp混成原子を持つ安定なケイ素化合物は、今まで単離されたことがなかった。溶液中比較的長寿命のジシラアセチレンが存在する証拠、および短寿命の2―シラアレンやその他のX=Si=X'型化合物(X、X'=O、CR2、NRなど)が捕捉されたという証拠も知られているが、形式上sp混成したケイ素原子を持つ安定化合物はまだ単離されていない。今回、形式上sp混成したケイ素原子を含む熱的に安定な結晶性トリシラアレン誘導体の合成について報告する。我々は、炭素系アレンが直線状であるのに対し、トリシラアレンは著しく折れ曲がっていることを見出した。また、結晶中トリシラアレン分子の構造には動的な乱れが見られた。これは中央のケイ素原子が分子軸の周りを容易に回転するためであると考えている。

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