Article 生理:ダイニンの構造とパワーストローク 2003年2月13日 Nature 421, 6924 doi: 10.1038/nature01377 ダイニンATPアーゼは、小胞輸送や精子尾部の波うち運動などのさまざまな過程に重要な役割を果たす微小管モーターである。しかし、その力の発生機構は解明されていない。個々のダイニンは頭部を持ち、そこから柄と幹が突出している。今回、電子顕微鏡観察と画像処理によりクラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)の鞭毛に含まれるダイニン亜種cの、パワーストロークの開始時と終了時における構造の詳細をあらたに明らかにしたので報告する。幹も柄も柔軟に動き、幹は約10nmのリンカーを介して頭部に連結している。我々は、このリンカーが頭部を横切るように位置すると考えている。ADPおよびバナジン酸が結合した状態では、幹と柄とは頭部上の10nm離れた位置から突出している。しかしヌクレオチドの非存在下では、リンカーの方向が変化し、幹と柄は互いに接近して突出する。またコイルドコイル構造をした柄は硬くなる。最終的な結果は、柄の先端の約15nmの変位を伴ったダイニン分子の短縮である。この変化は、ダイニンのパワーストロークの機構を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る