Letter 細胞:テロメアの機能不全とAtm欠失は臓器の恒常性を低下させて老化を加速する 2003年2月6日 Nature 421, 6923 doi: 10.1038/nature01385 毛細血管拡張運動失調症(A-T)は、Atm遺伝子の機能喪失に起因し、急激なテロメアの損失、ゲノムの不安定性、進行性の神経変性、早期老化、腫瘍発生率の上昇などを特徴とする。本論文では、in vivoにおけるAtmとテロメアの機能上の相互作用について考察した。AtmとテロメラーゼのRNA成分遺伝子(Terc)の両方を欠く二重欠失変異マウスを使い、進行性のテロメア短縮の関数として表したAtm欠失の影響を、細胞レベルと個体レベルで調べた。この複合変異体では、テロメアの侵食とゲノムの不安定性の上昇が認められたが、Atm欠失に関連してみられるT細胞リンパ腫は実質的に消失していた。全般的な増殖欠失は、調べた全細胞種および組織で明白であった。この欠失は組織の幹細胞/前駆細胞にまで及んでいたので、これは進行性の多臓器系障害、老化の加速、および早熟死の基盤となる。Atm欠失とテロメアの機能不全が共に働いて細胞および個体の生存能力を損なうことが明らかになったが、このことはA-Tにおける病態生理学的性質のいくつかが、テロメアの機能状態と、それが蓄えられている幹細胞/前駆細胞に及ぼす有害な作用に結びつくという見解を裏づけている。 Full Text PDF 目次へ戻る