Letter 生化学:ヒトのヒストンメチル基転移酵素SET7/9の構造と触媒機構 2003年2月6日 Nature 421, 6923 doi: 10.1038/nature01378 ヒストンのアミノ末端尾部のアセチル化、リン酸化、メチル化は、クロマチンの構造と機能の調節にかかわっていると考えられている。ヒストンの特定のリシン残基をメチル化する酵素(ヒストンメチル基転移酵素)と同定された酵素は、1つの例外を除いてすべてSETファミリーに属している。ヒトSET7/9とヒストンペプチドと補助因子の3つからなる複合体について、高分解能で得られた結晶構造から、基質であるペプチドと補助因子が、それぞれ酵素表面の反対側にあたる位置に結合することがわかった。この2つの表面を結ぶように酵素を貫く細い穴に、標的となるリシンの側鎖が入り込んで、酵素の活性部位やS‐アデノシル‐l‐メチオニン(AdoMet)補助因子に接近する。本論文ではSET7/9の結晶構造研究や溶液での研究から、この酵素がほかの多くのSETタンパク質とはちがって、リシンを1個だけメチル化するモノメチラーゼ以外の可能性のないことを明らかにする。この構造から、ヒストン標的に対する特異性の分子基盤が示唆される。またこれに基づき、SETファミリーに共通する多数の残基の役割を説明するメチル化反応モデルを考えることができる。 Full Text PDF 目次へ戻る