Letter 生態:移入種とその寄生生物の減少 2003年2月6日 Nature 421, 6923 doi: 10.1038/nature01346 移入種が引き起こす被害は、新しい生息域でそれら移入種の個体群密度が高くなったり体サイズが大きくなったりするために起こる。移入種の成功の説明としてよく引き合いに出されるのが、天敵の影響から離脱するためだという説である。一部の寄生生物は寄主の密度を下げたり体サイズを小さくさせたりすることがあるため、それまでの寄生生物を置き去りにして移動し、新しい寄生生物にもほとんど出会わない侵入生物は、個体数が制限されず、有害生物となりうる。移入種が寄生される度合いが実際に少ないのかどうかを調べるため、我々は、寄主となる軟体動物、甲殻類、魚類、鳥類、哺乳類、両生類、爬虫類の26種を使い、侵入外来種の在来生息域と移入生息域とで寄生生物を比較した。本論文では、在来個体群で見られる寄生生物種の数は、移入先の侵入外来個体群で見られる数の2倍であることを報告する。さらに、移入個体群は在来個体群に比べて寄生される度合い(感染率という意味)が低い。移入種が寄生される度合いが低くなる原因は複数あり、侵入外来種と共に寄生生物が移入される確率が低いこと(あるいは寄主確立後の早期絶滅)、必要な他の寄主が新しい場所に生息していないこと、在来の寄生生物の新しい寄主への適応が寄主特異性により制限されることなどがあげられる。 Full Text PDF 目次へ戻る