Letter 生態:侵入植物の病原体となる菌類やウイルスからの解除 2003年2月6日 Nature 421, 6923 doi: 10.1038/nature01317 侵入植物種は土着種の多様性を脅かし、かつ経済的な代償も大きいが、有害植物となるのはごく少数の帰化種のみである。本論文では、一部の帰化種のみが大きく影響を及ぼす理由を説明した、以前からある2つの仮説を包括的かつ定量的に裏づける。天敵解除説では、侵入生物が及ぼす影響は、天敵から受ける攻撃が減るせいだと考える。生物抵抗性説では、天敵などの土着種との相互作用が、侵入生物の影響を制限すると考える。我々はこれら2つの仮説を、欧州から米国に帰化した473種の植物に感染するウイルスやサビキン類、クロボキン類、ウドンコキン類について検証した。各植物種に感染する菌類種は平均すると、帰化後の生息域のほうが在来の生息域より84%少なく、ウイルス種も24%少ない。加えて、病原体からの解除が完全に近い侵入植物種ほど、農業生態系でも自然生態系でも有害侵入植物だとする報告がより広範になされている。これらの結果を総合すると、天敵解除説が強く裏づけられる。農業に有害となる雑草のうち、帰化後の生息域における病原体の蓄積量が多い種ほど、有害の度合いは狭まる。このことから生物抵抗性説が裏づけられる。我々の得た結果から考えると、侵入植物の及ぼす影響は、病原体などの天敵からの解除および天敵の蓄積量の関数となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る