Letter

量子情報科学:通信波長帯を使ったキュービットの長距離テレポーテーション

Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01376

物質とエネルギーをテレポートすることはできない。すなわち、一つの場所から別の場所に中間地点を介さないで移動させることはできない。しかし、量子状態(物質の量子力学的構造)ならテレポーテーションが可能である。ただし、テレポートされるのは物質の構造のみで、物質自身は送信側にとどまり、また受信側には構造を受け取る物質が予め用意されている必要がある。いくつかの卓上実験ではキュービット(2次元の量子系)、あるいは連続変数の系を使って、短距離での原理実証が行われている。本論文では、確率的な量子テレポーテーションの長距離での実証実験を報告する。1.3μm波長の光子が運ぶキュービットを、一つの実験室から55m離れたもう一つの実験室にある1.55μm波長の光子へテレポートした。2つの実験室は2kmの標準的な通信波長帯ファイバで接続されている。このような量子テレポーテーションの最初の(そして現在予測可能な技術から見て唯一の)応用は、量子通信の分野であり、量子暗号の長距離化に役立つだろう。

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