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生化学:ヒト・アンギオテンシン変換酵素‐リシノプリル複合体の結晶構造

Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01370

アンギオテンシン変換酵素(ACE)は、アンギオテンシンIのカルボキシ末端からHis-Leuジペプチドを切断して強力な血圧上昇活性を持つオクタペプチド、アンギオテンシンIIを生成することにより、心臓血管機能において重要な役割を果たしている。ACE阻害剤は高血圧、心不全、心筋梗塞、糖尿病性腎症の治療薬として最も重要である。しかし、これらの阻害剤が、ヒトACEの構造が知られる前に開発され、カルボキシペプチダーゼAと反応機構が相同であろうという仮定に基づいてデザインされたことは注目すべきである。今回我々はヒト精巣ACEおよび最も広く使われている阻害剤の1つであるリシノプリル(N2-[(S)‐1‐カルボキシ‐3‐フェニルプロピル]‐l‐リシル‐l‐プロリン、商品名はプリニヴィルまたはゼストリル)とACEとの複合体の分解能2ÅのX線結晶構造を示す。三次元構造の解析により、ACEの構造はカルボキシペプチダーゼAの構造との類似点はあまり無いが、ACEと配列相同性が見つからない亜鉛金属ペプチダーゼであるニューロリシンや超好熱性古細菌Pyrococcus furiosusのカルボキシペプチダーゼの構造に類似していることがわかった。今回得られた構造により、新しい薬理学的性質を示す可能性のあるドメイン選択的ACE阻害剤をデザインすることが可能となろう。

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