Letter

細胞:平面内細胞の極性シグナル伝達の忠実性

Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01366

ショウジョウバエの翅毛の極性は、驚くほど忠実度が高い。羽の約30,000個の上皮細胞それぞれが作り出すアクチンを多く含む前翅毛(prehair)は、細胞の遠位端から遠位方向を向いて生える。この生える位置と翅毛の向きには誤りはほとんど見られないため、ほぼ完全に平行に並んだ翅毛の列が形成される。この過程は、平面内細胞極性シグナル伝達経路によって制御されている。今回我々は、平面内細胞極性シグナル伝達機構の2つの段階間の相互作用によって、このような高い忠実度が得られることを明らかにした。第1段階はカドヘリンFatが仲介するもので、個々の細胞に方向シグナルを伝達することによって、全体の方向を決定する。第2段階は7回膜貫通型受容体Frizzledが調整するもので、細胞間フィードバックループを介して各細胞の極性を隣接する細胞の極性と揃えるもので、これにより細胞から細胞へと極性が伝達されることになる。我々は、Fatの伝える弱いと思われるシグナルに、必ずしも全ての細胞が正確に反応する必要はないことを明らかにした。次の段階にあたるFrizzledフィードバックループの働きだけで、全細胞を協調的に整列させるのに十分である。この経済的な機構は、非常に頑健で、事実上誤りのない翅毛配列を作り出す。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度