Letter 神経:餌にではなくコミュニケーションに対してネットワークの振動応答を生み出す抑制性フィードバック 2003年1月30日 Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01360 視覚系、嗅覚系や体性感覚系では、刺激によって振動的な活動が起こる。この振動がニューロン間の抑制性結合によって、どのようにして作られるかは、実験的にも理論的にも明らかにされている。しかし、現実の時空間的な感覚性入力がこの振動性神経ネットワークの動きにどのような効果を及ぼすのか、振動が全体として感覚情報処理過程でどんな機能上の役割をもつのかについては、よく解っていない。弱い発電力を持つ魚類は、餌や同種間コミュニケーションのためのシグナルによって作られる電場の変化(前者は局所的、後者は分散的)を検出する必要がある。今回、in vivo記録により、弱発電魚の感覚錐体ニューロンが、コミュニケーション様の刺激に対しては振動的な反応を示すが、餌に似た刺激に対しては示さないことがわかった。性質がわかっている回路を基にして錐体ニューロンのネットワークモデルを構築すると、コミュニケーション様の刺激に対してのみ振動的反応を生み出すには、広い範囲に分散し、時間的に遅れをもった抑制性フィードバックが必要と予測された。この予測は、フィードバック抑制を可逆的に阻害することでコミュニケーション様刺激に対する振動反応が消失することから確かめられた。これらの結果から、感覚系は抑制性フィードバックを、振動的発火状態と非振動的発火状態の間の「切り替えスイッチ」機構として利用し、それぞれの発火状態を自然界で生じる刺激に結びつけていることがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る