Letter

材料:温度29Kで捕捉磁場17テスラを超える高温超電導バルク磁石

Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01350

結晶粒の大きなRE-Ba-Cu-O (ここでREは希土類元素)系の高温超電導体は低温で数テスラの磁場を捕捉でき、このため永久磁石型の超電導磁石としての応用が可能とされている。捕捉される磁場の大きさは超電導体の臨界電流密度と体積に比例する。このような磁石には種々の工学応用の可能性が浮上しており、いくつかはすでに商業化されている。しかし、バルク超電導体は機械的安定性に乏しく熱伝導率が低いため、応用の適用範囲に制約がある。RE-Ba-Cu-O系バルク磁石は高磁場着磁の際に電磁力のため破壊することが見出されている。今回我々は、Y-Ba-Cu-Oバルク磁石の機械的な特性と熱伝導率の双方を改善し、高い捕捉磁場特性を得るための製造における処理手法を示す。まず、炭素繊維で材料を被覆し、樹脂を含浸させることで機械的な特性が改善される。次に、超電導体磁石の中央にあけた小さな穴にアルミニウム線支柱を挿入し、Bi-Pb-Sn-Cd合金を含浸させる。これにより熱的安定性と内部の機械強度が著しく増強される。この結果、直径2.65 cmのバルクY-Ba-Cu-O試料が29 Kで破壊することなく17.24 Tの磁場を捕捉することができた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度