Letter

進化:カンブリア紀前期の脊椎動物の頭部と背骨

Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01264

顎の無い魚類は脊椎動物の進化、とりわけ頭部および神経冠由来組織の起源に関して、重要な位置を占める。ヤツメウナギ類や他の脊椎動物は、ナメクジウオ類とは対照的に、複雑な脳と、よく発達した眼やさらには聴覚系や嗅覚系に関与するプラコードを備えている。これらの感覚系がその後の脊椎動物の多様化の引き金となったことはまず間違いない。古生代後半に生存した無顎類の骨格の特徴から、これらの感覚系の存在を知ることができるが、これらの系の最古の記録に関する情報はごくわずかである。本論文では、これまでホロタイプしか知られていなかった、カンブリア紀前期の脊椎動物Haikouichthys ercaicunensisの多数の化石標本について報告する。Haikouichthysには、他の化石無顎類と少なからず異なる点が見られる。重大な特徴として、頭部に小さい葉状の突出があり、これには、眼とおそらく鼻腔が含まれ、さらには内耳胞の可能性のある構造も見られる。個々に分かれた椎骨様の要素を伴った脊索も認められる。系統解析から見ると、この魚類は有頭類の絶滅した分類群の中におさまる。Haikouichthysは現生ヤツメウナギ類のアンモシーテス幼生にやや似ているが、これは有頭類の一般的な特徴を共にもつためである。つまり、ヤツメウナギ類とメクラウナギ類(両者を単系統とみた場合に円口類と総称)の成体はおそらく多くの点で、派生的なものである。

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