Letter 遺伝:マウスの家族内の対立を解決する遺伝的基盤 2003年1月30日 Nature 421, 6922 doi: 10.1038/nature01239 母親、父親、子における親の投資に対する代価と利益は均整でないために、子を生み、栄養を与えることをめぐって家族内に対立が生じる。出産前においても出産後においても雌が資源の大半を提供する種においては、このような対立の解決は、母親で発現する遺伝子と、子で発現する母親または父親に由来する遺伝子の影響を受けると考えられている。今回、このような影響を明らかにするために、家族内対立の典型的な解決法が異なる2系統のマウスを対象に、相互交配実験ならびに子の相互養育実験を行った。その結果、系統間の産子数の差は父親の遺伝子型で決定されるが、一方、栄養補給の差は母親の制御下にあることがわかった。これは、異なる生活史特性に及ぼす母親と父親の影響の拮抗的共適応の存在を意味する。また母親による栄養補給は、養育対象の子のタイプの影響も受ける。しかし理論上の予測に反して、母親による栄養補給と子の要求との間に、系統間の負の相関があるという証拠は得られなかった。実際には、子は、実母と同じ系統の養母からはより多くの資源を得ており、それは父親の系統に無関係であるという正の共適応が明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る