Letter 地球:浅部への沈み込みと薄層化による始生代の地殻の進化 2003年1月16日 Nature 421, 6920 doi: 10.1038/nature01319 始生代の海洋地殻は、大洋中央海嶺における熱流量が高く従って溶融の程度も高かったため、おそらく現在の海洋地殻よりも厚かったと考えられる。このような条件はまた、始生代初期には全体の組成が現在とは異なり、マグネシウムに富んだピクライト(異なった分化の程度をもつ玄武岩、ハンレイ岩、超苦鉄質集積岩およびピクライトで構成される)から成る海洋地殻を生じさせたであろう。このような違いが地殻の沈み込みや再循環の過程に影響を及ぼしたかどうかは、沈み込みの際に起きる変成反応を調べるための実験がこれまでのところでは、現在の大洋中央海嶺玄武岩のみを考慮しているためによくわからない。ここでは、高圧実験のデータを提示し、超苦鉄質集積岩とピクライトの変成反応が輝岩を生成し、それがこれまで考えられていたように大陸地殻を生成するのではなく、薄層に裂け融解することによって玄武岩を生成すると考えられることを示す。その代わりに、大陸地殻の生成には、始生代後期の沈み込みの際に最初に大規模に生じたと考えられる、石榴石−角閃岩(海洋地殻上部でのみ形成される)の沈み込みと溶融が必要となる。このことから、海洋地殻の浅い沈み込みと再循環は始生代初期に起き、その結果としてマントル最上部の薄い層でのみ極度の枯渇が生じたと推定される。マントル対流についての地球化学的枯渇モデルと深部への沈み込みを含む地球物理学的モデルとの間の不一致は、従って、地質学的年代にわたりこの枯渇層が継続して深部へ到達したことにより説明できる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る