Letter

進化:環境条件の勾配に沿った種分化

Nature 421, 6920 doi: 10.1038/nature01274

種分化をめぐる従来の議論は、種の分布域の地理的パターンに基づいている。異所的種分化では、長期にわたる地理的隔離が生殖的隔離や空間的分離をもたらして子孫種を生じさせる。地理的障壁がない場合、多様化は遺伝子流によって妨げられる。それにもかかわらず、増大する系統発生や実験のデータからは、ごく近縁な種が、同所的に生じたり、あるいは環境変化が漸進的であって遺伝子流を妨げないような地域において生息域を隣接させていたりすることが頻繁にあることが読み取れる。進化的分岐(evolutionary branching)という現象に焦点を当てた最近の研究のいくつかの進展から、同所的条件下で種分化を起こしうる進化の各種過程が、理論で明らかにされている。我々は今回、空間構造をもつ個体群における進化的分岐を調べて、種分化の地理的パターンと生態的過程の関連性を明確に示す。そして、環境条件の勾配に沿って、進化的分岐が非空間的モデルよりずっと容易に起こりうることを示す。この容易化の度合いは、中程度の傾斜の勾配で最も大きい。さらに、空間的な進化的分岐によって、生じる種どうしの空間的な分離・隣接パターンが容易に生じる。我々の得た結果は、種分化の地理的パターンにとっては局所の適応的分岐過程が重要なことを強調するものであり、現在の生物地理パターンから過去の種分化過程を推論することで陥りかねない落とし穴に注意を促すものだ。

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