Letter

化学:ネマチック液晶における表面とバルクの相転移の観察

Nature 421, 6919 doi: 10.1038/nature01331

表面近くの液晶分子の挙動は基礎的にも技術的にも興味深い。これによってさまざまな表面相転移や「ぬれ」現象が引き起こされ、表面による液晶分子の整列は液晶ディスプレイの操作に必須である。今回我々は、基板上のネマチック液晶においてバルクの等方性―ネマチック(IN)転移と明確に区別される純粋なIN表面相転移を観察したことを報告する。表面とバルクでは相挙動が異なると考えられているが、これまでは、両者の転移温度がきわめて近いことなどから見分けるのは難しいとされてきた。我々は、ネマチック液晶の混合物を用いることで、こうした困難を克服した。表面が引き起こすわずかな組成変動によって表面とバルクの転移が完全に分離され、それぞれを独立に基板と印加磁場の関数として研究できた。表面のIN転移は、固着エネルギーが弱い表面上では1次であり、固着エネルギーが強い表面上では連続的であることを見いだした。高磁場が存在しても表面のIN転移温度は変化しないが、バルクのIN転移温度は磁場とともに上昇した。この現象は、表面をぬらす層における磁場誘起秩序によって調節される、表面相とバルク相の間の相互作用エネルギーによると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度