Letter 生理:哺乳類の概日時計では、周期的なヒストンアセチル化が転写変動の基盤となっている 2003年1月9日 Nature 421, 6919 doi: 10.1038/nature01314 マウスの概日時計では、転写フィードバックループが時計機構の根幹となっている。ClockとBmal1という2種類の重要な転写因子が、3つのperiod遺伝子(Per1-3)と2つのクリプトクロム遺伝子(Cry1とCry2)の発現を促進する。このCryタンパク質がClock/Bmal1が関与する転写をフィードバック阻害するのだが、この阻害はClock/Bmal1のDNAへの結合が変化するためではない。本論文では、マウス肝臓の重要な時計機構の転写制御にH3ヒストンアセチル化の周期的変化が関係することと、このH3ヒストンアセチル化がCryの阻害作用の標的である可能性があることを明らかにする。Per1、Per2、Cry1遺伝子のプロモーター領域では、H3のアセチル化とRNAポリメラーゼIIの結合に概日性の周期変動が見られ、この変動が、これら遺伝子に対応する安定なメッセンジャーRNAの周期変動と同調している。ヒストンアセチルトランスフェラーゼp300は、in vivoで行った免疫沈降実験でClockと共に沈降するが、その量は時間によって変動する。また、p300によってClock/Bmal1のかかわる転写が促進されるが、Cryタンパク質はこれを阻害する。Cry1mRNAの周期的変動はPerの変動によりも遅れて起こるが、このずれはRev-ErbaとClock/Bmal1の協調作用によっている。これが新しい概日リズムの位相制御機構である。 Full Text PDF 目次へ戻る