Letter 遺伝:イネゲノムにおけるトランスポゾンの可動 2003年1月9日 Nature 421, 6919 doi: 10.1038/nature01219 イネ(Oryza sativa L.)は世界的に重要な作物で、ゲノム概要配列が得られており、禾本科のゲノム構造を分析する際の有用なモデルの一つである。遺伝子操作でイネの効率的な育種を行うためには、経済的に重要な遺伝子群を同定することが重要である。植物体における遺伝子タグとして可動性のトランスポゾンを利用することは、トランスポゾンの挿入が遺伝子を不活性化させることが多いことから機能解析の強力なツールとなる。今回、穀粒を包みその形状を決定する種子構造である穎が細くなる変異の易変性を分析し、miniature Ping(mPing)と命名した活性のあるイネのトランスポゾンを同定した。mPingトランスポゾンは、slender glume(slg)突然変異対立遺伝子に挿入されているが、野生型対立遺伝子には挿入されていない。イネの一品種である日本晴のゲノムを探索したところ、 mPingとヌクレオチドの類似性が高い34個の配列が同定されたことから、mPingがトランスポゾンのファミリーを構成することがわかる。mPingがslg植物から切り出されると、野生型の表現型に復帰する。イネの植物体でトランスポゾンmPingが動くことは、イネ遺伝子の機能解析における有用なツールとなることを意味する。 Full Text PDF 目次へ戻る