Letter

細胞:モエシンはRho経路に対して拮抗的に働き、上皮の完全性を維持している

Nature 421, 6918 doi: 10.1038/nature01295

上皮細胞がもつ2つの大きな特徴は、頂端‐基底という極性があることとと高度に組織化された細胞骨格をもつことで、これらは、頂端膜に結合して位置が正確に定まったタンパク質複合体の存在と、アクチンの空間配置を調節する別個の機構の働きによって生じている。ERM(エズリン、ラディキシン、モエシン)タンパク質は、頂端ドメインにおいて膜貫通タンパク質とアクチン細胞骨格とを連結していると考えられており、上皮細胞で構造的役割を担うことが示唆されている。また、シグナル伝達系にもかかわるとされている。本論文では、ショウジョウバエのERMタンパク質モエシンが単独で機能して細胞表層のアクチン集合を促進し、頂端-基底極性に関与していることを明らかにする。そのため、モエシンを欠失した細胞は上皮細胞の性質を失い、浸潤性の移動行動をとるようになる。今回、モエシンは上皮の形態形成に寄与しているが、それは構造成分として重要な機能を果たすからではなく、低分子GTPアーゼRhoの活性に拮抗することを明らかにした。つまりモエシンは、アクチンの組織化と極性に影響をおよぼす細胞内シグナル伝達系を調節することによって、上皮の完全性を維持する働きをしている。また今回の結果は、ERMの活性化とRho経路の活性との間に負のフィードバックが存在することを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度