Letter 医学:異所的なATP合成酵素のβ鎖は肝臓でのHDLエンドサイトーシスにおけるアポリポタンパク質A-I受容体である 2003年1月2日 Nature 421, 6918 doi: 10.1038/nature01250 アテローム性動脈硬化症を防ぐ高密度リポタンパク質(HDL)の効果は、一般に「コレステロール逆輸送」によるものと考えられている。このプロセスにおいてHDL粒子は、末梢の細胞からコレステロールを運び出して肝臓へと輸送することで、コレステロールの代謝、および胆汁への排出を進めている。従って、肝細胞表面にあるHDL受容体は、コレステロールのホメオスタシス調節における主要な協力者である。アポリポタンパク質A-I(apoA-I)に対する高親和性HDL受容体は、以前に肝細胞上で見つかっている。本論文で我々は、この受容体がミトコンドリア内膜の主要なタンパク質複合体であるATP合成酵素のβ鎖と同一であることを示す。このATP合成酵素構成因子の異所的な存在および肝細胞表面上のATP加水分解活性の存在は、さまざまな実験的手法によって確認されている。apoA-Iで受容体を刺激すると、ホロHDL粒子(タンパク質と脂質からなる)のエンドサイトーシスが、ADPの生成に厳密に依存するメカニズムによって引き起こされる。我々は、潅流したラットの肝臓を用いex vivoで、ATP合成酵素の特異的阻害剤を使ってエンドサイトーシスにおけるこの効果を確認している。従って、膜結合性ATP合成酵素は、細胞外のADP濃度の調整に以前には考えられていなかった形で関わり、また主要な血清アポリポタンパク質による調節を受けている。 Full Text PDF 目次へ戻る