Letter 聴覚:音源定位におけるシナプス抑圧 2003年1月2日 Nature 421, 6918 doi: 10.1038/nature01248 中枢神経系で共通に見られる短期シナプス可塑性は、時間の積算と一致の検出の両方で信号処理機能に関与している可能性がある。間近なシナプス入力の移動平均に出力の発火頻度が依存する時間的積分器では、入力のシナプス強度が可塑的に変わることが、直接に信号の利得と神経回路の機能を調節する。しかし、理想的な一致検出器では、発火頻度はシナプス現象の平均頻度ではなく、現象の時間的一致に依存して変化することになろう。今回、時間的一致の検出にシナプス可塑性がどのように影響するかについて1つの特定の例をとりあげ、ニワトリの聴覚系脳幹の大細胞核のニューロンと層状核の一致検出ニューロンとの間のシナプスで、シナプス抑圧の性質を実験的に調べた。このシナプスでの抑圧現象の経験的な性質記載と、層状核の信号についての生物物理学的モデルとを結びつけて新しいモデルを作った。それによれば、シナプス抑圧は、音の強さに関連した情報の撹乱効果を受けることなく両耳間時間差情報(音源の空間内位置を代表する)を保存するための適応機構を提供すると考えられる。層状核ニューロンが音源位置情報を高次処理中枢に送る際には、この機構が支援的に働いているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る