Letter 生態:アメリカイセエビの真の航路決定と磁気地図 2003年1月2日 Nature 421, 6918 doi: 10.1038/nature01226 真の航路決定能力を持つ動物は、見知らぬ場所に移されると、なじみのある環境、目的地から生じる手がかり、往路で集められた情報のいずれにも頼ることなく、目的地に対する自らの位置を判断できる。これまで真の航路決定能力をもつことが示されているのは数種の動物(いずれも脊椎動物)に過ぎない。詳しく調べられてきた少数の無脊椎動物では、経路統合やランドマーク認識および方位決定を含む、なじみのない領域への移動を許さない機構を利用して標的地域に向かう。本論文では、アメリカイセエビ(Panulirus argus)が12〜37km離れた、なじみのない場所に移されると、既知のあらゆる方位手がかりが移動中になくとも高い確率で捕獲地へ向かうことを報告する。イセエビや他の動物が、真の航路決定中に位置を判断するしくみは、ほとんどわかっていない。イセエビが地球磁場から位置情報を引き出しているという仮説を検証するために、生息域中の特定の場所の磁場を再現した状況にイセエビをおいた。捕獲場所より北の磁場を再現した場合はイセエビが南方へ向かい、捕獲場所より南の磁場にさらされた個体は北方へ向かった。この結果は、アメリカイセエビ、さらにはおそらく他の動物の真の航路決定能力が磁気地図感覚を基礎としていることを意味している。 Full Text PDF 目次へ戻る