Letter 植物:葉緑体逃避運動は植物の光損傷を軽減する 2002年12月19日 Nature 420, 6917 doi: 10.1038/nature01213 光合成に必要とされる光量よりも強い光に植物が曝されると、葉緑体内ではいろいろな活性酸素が発生し、葉緑体の光損傷が生じる。これは自然の生育条件でも起こりうる。光損傷を緩和するために植物はいくつかの防御機構を発達させてきた。強光条件下で葉緑体が細胞の表面から側壁に向かって移動する葉緑体逃避運動がその一つであるが、実験的な裏づけがなかった。今回、葉緑体逃避運動に異常がある変異体を使用して、光が強い場合、変異体は野生型に比べて、損傷を受けやすいことを示した。強光による光合成装置の損傷と、それに続く葉の退色および壊死は、野生型より変異型の方が速く起こる。したがって葉緑体逃避運動が、葉緑体による光吸収量を実際に減少させており、自然の生育条件における植物の生存に重要な役割を果たしている可能性があると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る