Letter

進化:自己複製するコンピュータープログラムを用いる大進化のシミュレーション

Nature 420, 6917 doi: 10.1038/nature01151

適応の過程は2種類の時間スケールで起こる。短期的には、自然選択が個体群内の既存の変異をただふるい分けするだけだが、長期においては、その間にできた新しい変異が蓄積することによって、当初存在していた遺伝子型ともかけ離れた遺伝子型に進化する。第1の短期的過程は、集団遺伝学の数理理論によって記述される。しかし、この理論は1組の固定された遺伝子型群を定義することで始まるもので、まったく新しい遺伝子型の出現が許されないため、第2の長期的過程の十分な解析をこの理論から得ることはできない。したがって、長期にわたって生じてくる新規の変異に選択が作用してどのような進化上の帰結に至るのかを予想することは難しい。この種の古典的な難問が、「生命の記録テープを再生すること」によって現存の生物群に常に行き着くのかどうか、という問題である。我々は今回、自己複製するコンピュータープログラムからなる個体群の長期にわたる挙動を調べた。そうして、同じ単純な環境に導入された同じプログラムでも、場合によってそれぞれ固有の筋道をたどり、よく適応を遂げた複数の終点のなかの1つに向かって進化することを見いだした。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度