Letter

物理:GaAs/AlGaAsヘテロ構造体の電磁波励起による零抵抗状態誘導

Nature 420, 6916 doi: 10.1038/nature01277

凝縮系で電気抵抗が消えるという観察は、例えば、超伝導のような新しい発見のもとになった。超伝導は、遷移温度(Tc)以下の金属で零抵抗状態を検出できる状態である。さらに最近、低温または高磁場下における2次元電子系(2DES)の零抵抗状態の研究から、量子ホール効果が発見された。量子ホール効果を起こす系でも超伝導体でも、零抵抗状態と伴い、エネルギースペクトルにギャップが現れることが多い。我々は本論文に、意外な状況のもとで、零抵抗状態とエネルギーギャップを観察したことを報告する。2DESを含む超高移動度GaAs/AlGaAsヘテロ構造体を電磁波で照射したとき、低温と低磁場下でホール抵抗の量子化なしに、電気抵抗の対角部分が消失した。零抵抗状態は、磁場B=4/5BfとB=4/9Bfの付近に現れている。このときBf =2πfm*/eで表され、m*は電子質量であり、eは電子の電荷で、fは電磁波の振動数である。抵抗の極小点に見られる活性化輸送もまた、フェルミ準位にエネルギーギャップが存在することを示す。これらの結果は、GaAs/AlGaAsの2DESに、電磁波で誘起される、予想外の電子状態遷移があることを示唆する。

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