Letter 生化学:イノシトール1,4,5‐トリスリン酸受容体結合コアのリガンドとの複合体中の構造 2002年12月12日 Nature 420, 6916 doi: 10.1038/nature01268 多様な細胞において、Ca2+シグナル伝達経路は小胞体膜上に存在するCa2+放出チャネルであるイノシトール1,4,5-三リン酸(InsP3)受容体(InsP3R)により仲介されている。ヒトから線虫に至るまで広範囲の生物に普遍的に存在するInsP3Rは、細胞分裂、細胞増殖、アポトーシス、受精、発生、行動、記憶と学習といった多岐にわたる細胞の一連の過程や生理学的作用の制御において不可欠な役割を担っている。マウスI型InsP3R(InsP3R1)は小脳のプルキンエ細胞に非常に多量に見られ、機能的に区別される3つの主要な領域を持つ1本のポリペプチドである。それらの領域とは、アミノ末端InsP3結合領域、中央調節領域、そしてカルボキシル末端チャネル領域である。本研究では、InsP3 を結合したマウスInsP3R1のInsP3結合部位の2.2Åの結晶構造を示す。非対称的でブーメラン様の構造は、N末端β-トレフォイル・ドメインと、「アルマジロ・リピート」に似た折りたたみを含むC末端のα-ヘリカル・ドメインから成る。2つのドメインにより形成されるくぼみにはアルギニンとリジン残基の集まりが露出しており、これらはInsP3の3つのリン酸基を配位結合する。推定されるCa2+結合部位は、InsP3結合部位中の2ヶ所の離れた場所に同定された。 Full Text PDF 目次へ戻る