Letter

進化:性は進化にかかる速度制限を解除する

Nature 420, 6916 doi: 10.1038/nature01191

性が進化の過程で維持されていることの説明付けは、今もって進化生物学における重要課題の1つである。性の利点として考えられるものの1つは、環境条件が変化する際に選択により有利な変異が固定されうる効率を、性が増大させることによって、短期間での適応反応が可能になるのではないかというものだ。本論文では、条件により有性となる単細胞緑藻類Chlamydomonas reinhardtiiでは性が適応の速度を増大しうるが、性のもたらす利得は、適応しつつある個体群のサイズに決定的に左右され、大規模個体群では性の効用は著しいが小規模個体群では性の効用はほとんどないことを示す。新規環境において性が有利に働くことを説明するため、小規模個体群における確率論的な効果や、クローン干渉、有利な対立遺伝子間のエピスタシスなど、いくつかの機構がこれまでに提案されている。今回の結果は、この緑藻類の系においてはクローン干渉が重要なことを示している。

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