Letter

物理:自由電子レーザーの強力な軟X線による原子クラスターの多重電離

Nature 420, 6915 doi: 10.1038/nature01197

レーザーの強力な放射は、物理と化学にいろいろな新研究分野を開き、光学技術に全く新しい道を開いた。最近X線レーザーが進歩してきたが、これまで、非線形過程分野の大半の研究は、赤外線や可視光および紫外線の領域に限定されていた。波長100nm以下の軟X線領域で自由電子レーザーが出現したことで、今や新しい光源が、強力で短波長の放射線を用いる実験に利用され、物質構造をより細かく調べられるようになった。さらに短い波長の自由電子光源も、将来に向けて計画されている。我々は、自由電子レーザーで発振させた軟X線と、キセノン原子およびそのクラスターとの相互作用を調べ、最初の結果を発表する。キセノンの原子は光子を1個吸収して電離し、1価イオンになるばかりだが、クラスターによる吸収はきわめて大きくなる。大きなクラスター中の個々の原子は、平均して400eV、およそ30個の光子に相当するエネルギーまで吸収する。クラスターは熱せられ、電子が充分なエネルギーを得て放出されるものと考えられる。クラスターは、最後にはクーロン爆発によって完全に壊れてしまう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度