Letter 発生:羽毛の形態形成 2002年11月21日 Nature 420, 6913 doi: 10.1038/nature01196 羽毛は規則正しく階層的に分岐する構造であり、鳥類はこれにより飛翔能力を得た。中国で「羽毛様」構造をもつ化石恐竜が発見されたことから、羽毛の起源と進化への関心が高まった。しかし、シノルニトサウルス(Sinornithosaurus)などの恐竜の体表にある不規則に分岐した外皮繊維構造が、果たして真の羽毛であるかどうか、また、中心に主軸があり縁が鋸歯状になった外皮付属構造が、鳥類とは異なる羽毛なのか、それとも羽毛の前駆的構造なのかについては、今のところ確証が得られていない。我々は、発生分野の手法を用いて、羽毛の分岐形態形成に働く分子レベルの仕組みを解析した。複製能をもつトリ肉腫ウイルスを使って、ニワトリの飛翔用の正羽(おおばね)を再生中の羽嚢に、外因性遺伝子を移入した。そして本論文において、nogginと骨形成タンパク質4(BMP4)の間の拮抗的なバランス関係が、羽毛の分岐に重要な役割を果たしていることを示す。つまり、BMP4は羽軸の形成と羽枝の融合を促進し、nogginは羽軸と羽枝の分岐を増進する。さらに、羽枝と羽枝の間の隙間をつくることになる、縁板上皮(marginal plate epithelia)のアポトーシスの誘導には、sonic hedgehog(Shh)が不可欠であることも示す。我々の解析から、円筒状の上皮から階層的に分岐した構造へと羽毛がトポロジー的に変化する際の基盤となる分子レベルの経路が明らかになり、羽毛の形態進化において発生レベルで起こりうる仕組みについて説明できるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る