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神経:接近刺激に応答するニューロンで行われる乗法演算

Nature 420, 6913 doi: 10.1038/nature01190

知覚処理の過程で、掛け算操作は重要であるが、それがどのように実現されているのか生物物理学的にはほとんどわかっていない。今回調べた同定ニューロン(バッタの視葉大運動検出細胞LGMD)は、接近してくる視覚対象に対して出力発火の頻度変化で応答するが、それには二種類のモデルが立てられており、その一方は掛け算過程を含んでいる。このモデルでは、LGMDが樹状突起上に収斂する二つの入力(一つは興奮性、一つは抑制性)をシナプス後で掛け算する。もう一方のモデルでは、LGMDへのシナプス前で抑制がかかるとしている。シナプス前抑制および後抑制を選択的に活性化または不活性化する実験の結果、シナプス後抑制が主たる役割を担っていることが判明した。したがって、掛け算はLGMDニューロン自体の内部で行われていると結論される。薬理学実験と膜電位に対する発火頻度の測定実験とから、NaチャネルがLGMDの反応を時間的に進め、かつ膜電位に対する発火頻度にほぼ指数関数的に割り付けるのに働いていることがわかった。これらの結果から、掛け算はまず対数関数的に符号化された入力が樹状突起上で引き算され、それが活性化された膜コンダクタンスを通して指数変換されることで実現するという仕組みと符合する。

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