Letter 進化:In silicoでのシミュレーションから、分散の制限された自己複製子はより高い効率や複製の忠実度をもつよう進化することが明らかとなる 2002年11月21日 Nature 420, 6913 doi: 10.1038/nature01187 迅速かつ高い精度で働く機能的なレプリカーゼ(複製酵素)の出現は、生命の起源に重要だった。最初のRNA分子がどこから生じたのかは未だに不明だが、それでもやはり、レプリカーゼ機能をもつ触媒RNA酵素(リポザイム)は、進化の初期段階のどこかで現れたと考えられる。突然変異荷重が、自然選択によって維持されうる複製鋳型の長さを制限するため、複製の忠実度はとりわけ重要である。鋳型の長さの増大は、単位を固定した複製の忠実度には不都合だが、分子が長いほうがレプリカーゼとして優良だと考えられる。そして、より優れたレプリカーゼ機能をもつ、より長い分子のイテレーション(反復処理)が起こると考えられて、数理学的な解析がなされた。本論文では、効率のより高いレプリカーゼは、生命の起源の前駆体である鉱物表面に吸着した場合に普及可能であることを示す。セルオートマトン系シミュレーションから、複製の忠実度、レプリカーゼの速度、鋳型効率(鋳型となる傾向)はいずれも、分子の寄生体が存在しても、本質的に鉱物表面での互恵行動(「種内相利共生関係」)のために、進化とともに増大することが明らかとなる。つまり、レプリカーゼ機能の漸進的な向上があったことに、より説得力をもたせる結果となる。 Full Text PDF 目次へ戻る